リクSS 東京アンダーグラウンド

リク主 夕咲 紅様
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 ルミナの野望
〜漢泣〜





ルミナは決して顔は悪くない。

だが、モテない。

そして、頭も悪い。

そんな悪い頭で、彼は一つの妙案を思いついた。


「ルミナ、話ってなんだい?」

親友の銀之助を呼び出した。

ルミナの真剣な顔つきに、銀之助は有ることが頭に浮かんだ。

「ルミナ、いくらモテないからって僕に手を出そうだなんて人の道に外れて…

「違うわ!」

銀之助の言葉を遮った。

「いくら僕たちが毎年二回、ビックサイトで行われているイベントで、受けたり、攻めたりしている
本が売られているからって…


「だから、違うっつてんだろ!!」

お尻を押さえながら、銀之助は子犬の様な瞳でルミナを見つめた。

「その目をや・め・ろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

銀之助のこめかみに拳を当てて、ぐりぐりと回した。

銀之助が悲鳴をあげたので、そこで手を離した。

「人の話を真剣に聞け」

一息ついて、ルミナが話を本筋に戻そうとした。

「で、なんだい。お尻なら貸さないよ?

つっこむと再び話が長くなるので(作者の都合により)つっこむのをやめた。

「惚れ薬を作れ」

ルミナの言葉に、銀之助は一瞬我を失った。

そして、

「僕にノーベル賞を取れ…と?」

水虫の特効薬、風邪の万能薬、花粉症の万能薬、惚れ薬(作者予想)を作れたら、

ノーベル医学賞と言われている。それを中学生の銀之助に作れと言うのは、

実に無理難題をルミナが押しつけている事は、あきらかであった。

「なに完璧じゃなくていいんだよ。ちょっと…
 一口飲んだら、飲ませた相手にコロッと惚れるようなやつでいいから。
 ああ、別に淫乱にしろって言っているわけではないんだ。
 ほら、俺って清純系が好きじゃんか。やっぱり、手を握ったり頬を軽く赤…」

 「ちょって待ってよ、ルミナ。それを完璧な媚薬って言うんだよ?

 捲し立てるルミナを宥める様に言ったが、彼は聞く耳を持たない。

「ああ、飲ませた相手ってのが重要なポイントだから。よくあるじゃん、
 せっかく飲ませた相手が、違う奴を見ちゃって失敗に終わる漫画とか。
 そういうのはイヤだから、最初に見た相手とかじゃなくて、飲ませた相手ってのが重要なんだ」

 まったく人の話を聞かないルミナに銀之助は困惑した。

 どうしたらこの馬鹿を納得させられるのか、そこにすべての知恵を働かした。

 そして、彼は一瞬でその方法を思いついた。

「わかったよ、ルミナ。仕方ないから作るよ。でも期待しないでね」

「おおっ!引き受けてくれるのか!」




 数日後。


 「できたよ、ルミナ」

 リポビタンXYZと書かれたラベルの瓶をルミナに手渡した。

 「助かるぜ、で、これを飲ませればいいのか?」

 「うん。でも、ちゃんとルミナが頼んで飲ませないと駄目だからね」

 言い終わる前に、ルミナは音速の速さでその場から立ち去っていった。


 ルミナは、校内を数周して、自分好みの女の子を捜した。

 しかし、結局決められずに居た。

 「ええぃ!こうなったら、可愛ければ誰でもいい!」

 と思った瞬間になかなか可愛い女の子が目の前を通り過ぎた。

 ニュータイプが覚醒したような効果音が、ルミナの脳内で響いた。

「そこの君! これ飲んでくれない?!」

 単刀直入であった。

 「ひぃぃ!ごめんなさい!」

 般若のような血走った目のルミナを見て、女の子は走って逃げ出した。

 「ちぃ、逃げられたか。まぁ、いいさ。まだ女の子はたくさんいるからな」

 ところが、どんなに女の子に頼んでも、彼女たちはルミナを見ると逃げ出してしまった。

 「これじゃあ!飲ませられないじゃんか!!!」

 屋上で、夕日に向かってルミナが青春の不条理を嘆いた。

 その光景を、影から見守る一つの人影があった。

「ルミナ、その薬はただの砂糖水さ。それにいくら惚れ薬があっても、ルミナじゃ飲ませることができないよ。
そもそも、知らない男性から妖しげなラベルのドリンク進められたも、飲む娘なんていないよ…
 まあ、それで納得してくれると助かるんだけどなぁ…」。

 その人影は、音もなくその場から去っていった。

 屋上には、男泣きをしている鉢巻きを締めている漢が一人、たたずんでいるだけであった。






 おしまい。














 エピローグ



 銀之助の朝は早い。

 テレビをつける。チャンネルはいつも国営放送である。

 彼は、娯楽番組を見ないため、常にこのチャンネルなのである。

 もちろん、今話題となっている視聴料未払いなんてしていない。

 テレビに背を向けて、ガスコンロに手をかけた。

 冷蔵庫から卵を二つ取り出して、まさに目玉焼きに相応しい形を作った。


 『続いてのニュースです。
  明け方、部活動に向かう女子中学生を襲ったとして、同じ中学の男子生徒が婦女暴行の容疑で補導されました。
  少年は、『飲ませれば好きになってくれるはずだった。
  だから無理矢理飲ませてもその後相思相愛になるのだから  問題ないと思った』

  などと意味不明の供述しており、近く精神鑑定に送られる予定です』


 ガスコンロのスイッチを切った。

 銀之助が天を見上げた。

 「そこまでは、予想できないよ…親友」

 銀之助の瞳から一筋の滴が零れた。




 教訓  賢者も馬鹿の予想はできない




 本当におしまい。




 作者談…

 いかがでしたでしょうか。

 ルミナの野望〜漢泣〜 

 キャラに対して謝ることはありません。

 だって腐女子の方達だって半裸姿で彼らを抱き合わせたりしていますし〜。

 ただ一人謝留べき人は、リク主の夕咲さん

 _| ̄|○ ←土下座

いやあ、ネタがなくて、時間がなくてリクもらってからかなりの時間が経ちましたが、

一応、ギャグで書いたつもりです。

一人称も、相手に対する呼び方も間違ってないという確信がありせんが、

まあ、そこ愛嬌と言うことで一つ。

まぁ、見ている人はいなそうですが、人気がでましたら、

 〜の野望シリーズにしてもいいかもしれません。

 掲示板、メール等で感想いただけると幸いです。




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